先月から手掛けていた相続の案件が今日完了しそうです。経験が少ないのでレアケースなのかどうかよくわからないのですが、非常に勉強になったので記録しておきます。
×は相続の権利を得る可能性のある方でお亡くなりになっている方です。横の数字はお亡くなりになった順番です。二重線は婚姻関係を表しています。今回の相続に関係してくる方はまずAさん(被相続人)となります。この方の不動産の相続手続きをします。次に相続人Cさん(子)とDさん(配偶者)です。ここで1つ目の重要なポイントが出てきます。
亡くなった年月日に適用されていた法律が、今でも適用されるのです。最近お亡くなりになった方については、当然ながら現在の民法が適用されますが、今回のように「昔にお亡くなりになりずっと相続手続きを放置していた」というケースでは、旧民法の存在にも注意する必要があるのです。Aさんがお亡くなりになったのは昭和54年なので、昭和23年1月1日〜昭和55年12月31日の間の相続に適用される旧民法のルールで相続させないといけません。
図書館で調べるという方法もありましたが、今後も使うかもしれないので買うことにしました!気になるお値段は・・・・な、なんと150円(*'▽')!!(送料別、ヤフオクで購入)素晴らしい保存状態で本当に良い買い物ができました。さっそく該当の箇所を見てみましょう!
子供と配偶者は旧民法でも相続人になれます。これは現在と変わらないルールですね!
法定相続分で違いが見つかりました!旧民法は子の法定相続分が現民法より多いです。
ということで赤色の矢印で相続されるのはCさんが2/3、Dさんが1/3になります。
その後Dさんがお亡くなりになるのですが、CさんとDさんの間に養子を含めた親子関係がないので、CさんはDさんの相続人ではなく遺産を相続できないのです。つまり「1/3の法定相続分」も他の相続人に権利が移行します。ちなみにこの先は昭和56年以降にお亡くなりになられているので現民法のルールが適用されます。
この「1/3の法定相続分」はEさんに1/6、Fさんが既にお亡くなりになっているので代襲相続のルールでJさんに1/6で相続する権利が移ります(青色の矢印)。次にEさんが亡くなった際にJさんに再び代襲相続のルールで1/6相続する権利が移ります(黄色の矢印)。つまりJさんが1/6+1/6=1/3で「1/3の法定相続分」の権利を得ることになります。
というてん末でJさんに連絡を取り、遺産分割協議書を作成してCさんとJさんの署名・捺印を貰いました。これから製本をして司法書士さんに登記をお願いする行程が残っていますが、ひと段落つきました!駆け出し行政書士の私には難しいケースでしたが大変勉強になりました!
遺言・相続は紛争性がなければ行政書士に依頼するのが一番安く済むと思います。今回の依頼人も最初は弁護士さんに相談をしたそうですが60万円の見積りを提示されたそうです。行政書士ですと半額以下になるかもしれませんよ?
お悩みの方は是非一度ご検討頂ければと思います。